2014.08.19
親子関係不存在確認請求事件(最高裁HP)

事件番号

最高裁判所第一小法廷判決/① 平成26(オ)226,②平成25(受)233,③平成24(受)1402

判決日付

平成26年7月17日

判示事項


嫡出否認の訴えについて出訴期間を定めた民法777条と憲法13条,14条1項
②・③
夫と民法772条により嫡出の推定を受ける子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであるなどの事情がある場合における親子関係不存在確認の訴えの許否

裁判要旨


嫡出否認の訴えについて出訴期間を定めた民法777条の規定は,憲法13条,14条1項に違反しない。
②・③
夫と子との間に生物学上の父子関係が認められないことが科学的証拠により明らかであり,かつ,夫と妻が既に離婚して別居し,子が親権者である妻の下で監護されているという事情があっても,子の身分関係の法的安定を保持する必要が当然になくなるものではないから,上記の事情が存在するからといって,同条による嫡出の推定が及ばなくなるものとはいえず,親子関係不存在確認の訴えをもって当該父子関係の存否を争うことはできないものと解するのが相当である。このように解すると,法律上の父子関係が生物学上の父子関係と一致しない場合が生ずることになるが,同条及び774条から778条までの規定はこのような不一致が生ずることをも容認しているものと解される。
もっとも,民法772条2項所定の期間内に妻が出産した子について,妻がその子を懐胎すべき時期に,既に夫婦が事実上の離婚をして夫婦の実態が失われ,又は遠隔地に居住して,夫婦間に性的関係を持つ機会がなかったことが明らかであるなどの事情が存在する場合には,上記子は実質的には同条の推定を受けない嫡出子に当たるということができるから,同法774条以下の規定にかかわらず,親子関係不存在確認の訴えをもって夫と上記子との間の父子関係の存否を争うことができると解するのが相当である。本件においては,妻がその子を懐胎すべき時期に,上記のような事情があったとは認められないため,本件訴えは不適法と判断。

全文

  1. http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/345/084345_hanrei.pdf
  2. http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/344/084344_hanrei.pdf
  3. http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/337/084337_hanrei.pdf

キーワード

親子関係不存在確認請求 嫡出否認の訴え 出訴期間 父子関係 DNA鑑定
科学的証拠 嫡出の推定