2015.07.08
損害賠償請求事件(最高裁HP)

事件番号

札幌地方裁判所/平成25(ワ)1377

判決日付

平成27年4月17日

事案の概要

本件は,被告法人の従業員である原告が,被告法人の実質的な最高責任者である被告B及び看護部次長である被告Cから,セクシュアル・ハラスメント及びパワー・ハラスメントを受けたと主張して,被告法人に対しては不法行為(使用者責任)及び債務不履行に基づき,被告B及び被告Cに対してはいずれも不法行為に基づき,各自,慰謝料1000万円及び弁護士費用100万円並びにこれらに対する訴状送達日の翌日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。
慰謝料の額は,特に,問題とされている被告B及び被告Cの言動の違法性の程度,期間,これによる原告の苦痛の大きさ等のほか,本件に表れた一切の事情に照らせば,70万円が相当と認められるとし, 弁護士費用は,7万円が相当と認められた。

判旨抜粋

①原告は,職場の実質的な最高責任者である被告B及び上司である被告Cと,休日も含めて頻繁に食事等をし,比較的高価な服等まで贈られていたが,こうした付き合いは主体的なものではなく,被告B及び被告Cの誘いを断りにくかったことからしていたものであった。
②その後,上記①のような付き合いがなくなったとの同じ時期に,原告は,被告B及び被告Cの業務に関する注意等を嫌がらせと感じるようになったが,部下である原告がそのように感じるようになったのは無理からぬものであった。
③さらにその後,原告は,病院の看護部事務に異動となり,サクション瓶の洗浄等の労働を命じられたが,こうした労働は,それまで1人に集中して命じられることはなく,嫌がらせと受け止められてもやむを得ないものであった。
そして,④原告が,妊娠を報告した際,祝福の言葉もなく,かえって,被告B及び被告Cが想像妊娠だとか中絶を示唆するような言動をしたことは,著しく不適切であり,その後,被告Bが肉体労働である特浴の入浴介助を原告1人で行うことを命じたのも,配慮に欠けるものであった。
こうしたことを総合すると,被告B及び被告Cの原告に対する言動のうち,サクション瓶の洗浄等の労働を命じた平成24年8月の盆の頃以降のものは,原告の人格的利益を侵害する違法な嫌がらせであったというべきである。そして,被告法人には,原告の主張する職場環境配慮義務違反の不履行があったというべきである。

全文

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/101/085101_hanrei.pdf

キーワード

セクシュアル・ハラスメント パワーハラスメント 慰謝料 部署異動 嫌がらせ