2016.03.10
遺言無効確認請求事件(最高裁HP)

事件番号

最高裁 平成26(受)1458

判決日付

平成27年11月20日

事案の概要

亡Aは,死亡前に自筆証書遺言を作成していた。Aの死後に発見されたその遺言書には,A本人によって,文面全体の左上から右下にかけて赤色のボールペンで斜線が1本引かれていた。そこで,遺言書の文面全体に斜線を引く行為が,民法1024条前段の「故意に遺言書を破棄したとき」にあたり,遺言が撤回されたとみなされるか否かが問題となった。原審は,斜線が引かれた後も本件遺言書の元の文字が判読できる状態である以上,「故意に遺言書を破棄したとき」にはあたらないと判断した。

裁判要旨

赤色のボールペンで遺言書の文面全体に斜線を引く行為は,その行為の有する一般的な意味に照らして,その遺言書の全体を不要のものとし,そこに記載された遺言の全ての効力を失わせる意思の表れとみるのが相当であるから,その行為の効力について,一部の抹消の場合と同様に判断することはできない。
したがって,本件遺言書に故意に本件斜線を引いた行為は,民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきであり,これによりAは本件遺言を撤回したものとみなされることになるため,本件遺言は効力を有しない。

参照

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/488/085488_hanrei.pdf

キーワード

自筆 遺言 無効 破棄 撤回 斜線 民法1024条 民法968条2項