2016.06.27
遺言書真正確認等,求償金等請求事件(最高裁HP)

事件番号

最高裁 平成27(受)118

判決日付

平成28年6月3日

事案の概要

被相続人Aは,「家督及び財産はXを家督相続人としてa家を継承させる。」という記載を含む全文,日付及び氏名を自署し,その名下にいわゆる花押を書いたが,印章による押印をしていなかった。花押を書くことが自筆証書遺言の押印の要件(民法968条1項「印を押さなければならない」)を満たすかが問題となった。

裁判要旨

そして,民法968条1項が,自筆証書遺言の方式として,遺言の全文,日付及び自署のほかに,押印をも要するとした趣旨は,遺言の全文等の自署とあいまって遺言者の同一性及び真意を確保するとともに,重要な文書については作成者が署名した上その名下に押印することによって文書の作成を完結させるという我が国の慣行ないし法意識に照らして文書の完成を担保することにあると解されるところ,我が国において,印章による押印に代えて花押を書くことによって文書を完成させるという慣行ないし法意識が存するものとは認めがたい。
以上によれば,花押を書くことは,印章による押印と同視することはできず,民法968条1項の押印の要件を満たさないというべきである。

参照

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/930/085930_hanrei.pdf

キーワード

遺言 自筆証書遺言 花押 押印 印章 印鑑 民法968条1項