2017.04.10
養子縁組無効確認請求事件(最高裁HP)

事件番号

最高裁 平成28(受)1255

判決日付

平成29年1月31日

事案の概要

被上告人X1及びX2は亡Aの長女であり,被上告人X2は亡Aの次女である。上告人は,平成23年,Aの長男であるBとその妻であるCとの間の長男として出生した。Aは,平成24年3月に妻と死別している。

Aは,平成24年4月,B,C及び上告人と共にAの自宅を訪れた税理士等から,上告人をAの養子とした場合に遺産に係る基礎控除額が増えることなどによる相続税の節税効果がある旨の説明を受けた。

その後,養子となる上告人の親権者としてB及びCが,養親となる者としてAが,証人としてAの弟夫婦が,それぞれ署名押印して,養子縁組届にかかる届書が作成され,平成24年▲月▲日,世田谷区長に提出された。

本件は,被上告人らが,上告人に対して,本件養子縁組は縁組をする意思を欠くものであると主張して,その無効確認を求めた事案である。

原審は,本件養子縁組は専ら相続税の節税のためにされたものであるとした上で,かかる場合は民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」にあたるとして,被上告人らの請求を認容した。

裁判要旨

養子縁組は,嫡出親子関係を創設するものであり,養子は養親の相続人となるところ,養子縁組をすることによる相続税の節税効果は,相続人の数が増加することに伴い,遺産に係る基礎控除額を相続人の数に応じて算出するものとするなどの相続税法の規定によって発生し得るものである。相続税の節税のために養子縁組をすることは,このような節税効果を発生させることを動機として養子縁組をするものにほかならず,相続税の節税の動機と縁組をする意思とは,並存し得るものである。したがって,専ら相続税の節税のために養子縁組をする場合であっても,直ちに当該養子縁組について民法802条1号にいう「当事者間に縁組をする意思がないとき」に当たるとすることはできない。

参照

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/480/086480_hanrei.pdf

キーワード

民法802条1号 養子縁組 養子縁組無効 相続税 節税 縁組意思 縁組をする意思