2017.05.02
 投稿記事削除仮処分決定認可決定に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件(最高裁HP)

事件番号

最高裁    平成28年(許)第45号

判決日付

平成29年1月31日

事案の概要

抗告人は,児童買春をしたとの被疑事実に基づき,児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反の容疑で逮捕され,同法違反の罪により罰金刑に処せられた。抗告人が上記容疑で逮捕された事実は逮捕当日に報道され,その内容の全部又は一部がインターネット上のウェブサイトの電子掲示板に多数回書き込まれた。相手方は,利用者の求めに応じてインターネット上のウェブサイトを検索し,ウェブサイトを識別するための符号であるURLを検索結果として当該利用者に提供することを業として行う者である。

当該利用者が,抗告人の居住する県の名称及び抗告人の氏名を条件として検索すると,当該利用者に対し,URL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋が提供されるが,この中には,抗告人が逮捕された事実等が書き込まれたウェブサイトのURL等情報が含まれる。

本件は,抗告人が,相手方に対し,人格権ないし人格的利益に基づき,検索結果の削除を求める仮処分命令の申立てをした事案である。

判事事項

検索事業者に対し,自己のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果から削除することを求めることができる場合

裁判要旨

利用者の求めに応じてインターネット上のウェブサイトを検索し,ウェブサイトを識別するための符号であるURLを検索結果として当該利用者に提供する事業者が,ある者に関する条件による検索の求めに応じ,その者のプライバシーに属する事実を含む記事等が掲載されたウェブサイトのURL並びに当該ウェブサイトの表題及び抜粋を検索結果の一部として提供する行為の違法性の有無について,当該事実の性質及び内容,当該URL等が提供されることによって当該事実が伝達される範囲とその者が被る具体的被害の程度,その者の社会的地位や影響力,上記記事等の目的や意義,上記記事等が掲載された時の社会的状況とその後の変化,上記記事等において当該事実を記載する必要性など,当該事実を公表されない法的利益と当該URL等を検索結果として提供する理由に関する諸事情を比較衡量して判断し,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかな場合には,上記の者は,上記事業者に対し,当該URL等を検索結果から削除することを求めることができる。

結論

抗告人が妻子と共に生活し,罰金刑に処せられた後は一定期間犯罪を犯すことなく民間企業で稼働していることがうかがわれることなどの事情を考慮しても,当該事実を公表されない法的利益が優越することが明らかであるとはいえないとし,抗告人の申立てを却下した原審の判断は,是認することができるとされた。

参照

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/482/086482_hanrei.pdf

キーワード

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