2017.06.08
犯人隠避,証拠隠滅被告事件(最高裁HP)

事件番号

最高裁 平成27(あ)1266

判決日付

平成29年3月27日

事案の概要

Aは,普通自動二輪車(川崎ZEPHYR。以下「A車」という)を運転し,信号機により交通整理の行われている交差点の対面信号機の赤色表示を認めたにもかかわらず,停止せずに交差点に進入し右方から普通自動二輪車を運転進行してきたBを同車もろとも転倒・滑走させ,よってBに外傷性脳損傷等の傷害を負わせる交通事故(以下「本件事故」という。)を起こし,その後Bを同傷害により死亡させたのに,所定の救護義務・報告義務を果たさなかった。

Cは,自ら率いる不良集団の構成員であったAから本件事故を起こしたことを聞き,Aが逮捕される前に,Aとの間で,A車は盗まれたことにする旨の話し合いをした。

Aは,道路交通法違反及び自動車運転過失致死の容疑により逮捕・勾留された。Cは参考人として取り調べを受けるにあたり,警察官から,本件事故のことのほか,AがA車に乗っているかどうか,A車がどこにあるか知っているかについて質問を受け,A車が本件事故の加害車両であると特定されていることを認識したが,警察官に対し,「Aがゼファーという単車に実際に乗っているのを見たことはない。Aはゼファーという単車を盗まれたと言っていた。単車の事故があったことは知らないし,誰が起こした事故なのか知らない。」などのうそを言い,本件事故の当時,A車が盗難被害を受けていたことなどから前記各罪の犯人はAではなく別人であるとする虚偽の説明をした。

裁判要旨

Cは,道路交通法違反及び自動車運転過失致死の各罪の犯人がAであると知りながら,同人との間で,A車が盗まれたことにするという,Aを前記各罪の犯人として身柄の拘束を継続することに疑念を生じさせる内容の口裏合わせをした上,参考人として警察官に対して前記口裏合わせに基づいた虚偽の供述をしたものである。このような被告人の行為は,刑法103条にいう「罪を犯した者」をして現にされている身柄の拘束を免れさせるような性質の行為と認められるのであって,同条にいう「隠避させた」に当たると解するのが相当である。

参照

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/652/086652_hanrei.pdf

キーワード

道路交通法違反,自動車運転過失致死,犯人隠避,虚偽の供述,口裏合わせ