破産した場合の預金等の取り扱い

Q 破産をすると,預貯金や現金は,全て投げ出すことになりますか。

A 破産手続は破産者の財産を換価して全債権者に公平に分配する手続ですが,破産者にも健康で文化的な最低限度の生活を営む権利(憲法25条の生存権)が保障されていますので,一部の財産については,保持したままでいることが認められています。これを「自由財産」といいます。自由財産の範囲については,各裁判所によって具体的な基準はまちまちですが,個人破産のケースでは,東京地裁の場合,99万円以下の現金,残高20万円以下の預貯金,見込額が20万円以下の生命保険解約返戻金,処分見込価格が20万円以下の自動車などは,換価して(お金に換えて)債権者への分配の引き当てとすることなく,破産者自身が保持したままでいることが可能です。また,将来得るであろう退職金についても,支給見込額の8分の1相当額が20万円以下である場合は換価不要ですし,支給見込額の8分の1相当額が20万円を超える場合であっても,退職を強いるわけにはいきませんので,破産管財人に宛てて8分の1相当額を積み立てることにより換価しないでおく扱いが取られています。