Q 調停離婚とは,どういうものですか?
A 調停離婚は,相手が離婚に応じない,あるいは離婚には応じると言っているが条件が合わないような場合に,家庭裁判所に調停を申し立て,裁判所において話合いをして合意に達したときに,調停調書に記載されて調停が成立することにより,離婚が成立するものです。話合いといっても,夫婦が直接顔を合わせて行うのではなく,期日に,裁判所の調停室で,裁判所が選任した調停委員(男女各1名)に対して,交互に,お互いの言い分を述べ,調停委員を介して行うことになります。
離婚を求めるときは,訴訟を提起する前に,調停を経なければなりません(調停前置主義)。いきなり訴訟を起こしても,裁判所は,特に調停に付することを不適当と認めない限り,その事件を調停にまわさなければならないとされています。
なお,申立人は,調停成立の日から10日以内に調停調書の謄本を添付して市区町村長に離婚届を提出する必要がありますが,これは,報告的なもので,離婚は調停の成立により成立しています。この点は,届出が離婚の要件とされている協議離婚とは異なります。戸籍に調停離婚との記載がされるのを嫌って,「協議離婚することに合意し,申立人がその届出をする」といった内容の合意を調停でする場合もありますが,この場合は,協議離婚届を提出することにより離婚が成立することになりますので,調停成立後,気持ちが変わって届出をしなかったり,相手が離婚届不受理申出書を役所に提出してしまったりすると,離婚が成立せず,最初から手続をやり直さなければなりませんので注意してください。