Q インターネット上での名誉毀損は通常の出版・報道などの場合と異なり,名誉毀損の成立が緩やかに判断される場合があると聞きましたが本当でしょうか。
A インターネットの情報の信頼性の低さ,インターネットを利用して反論が容易であることなどからそのように言われることがありますが,これが問題となった刑事事件において,最高裁判所(平成22年3月15日判決)は,インターネットの個人利用者による表現行為においても,他の場合と同様に名誉棄損罪の成否を決するべきであり,「より緩やかな要件で同罪の成立を否定すべきものとは解されない。」と判断していますので,日本においてはインターネット上の表現行為だからといって名誉毀損の成立要件が緩やかになることはありません。