Q: 整理解雇の有効性を判断する際の「人員削減の合理性」とは,どういうものですか。
A:
①「人員削減の必要性」というのは,不採算部門の閉鎖や経営不振等により,企業が合理的経営をしていく上で,人員削減をする十分な必要性があることを要するというものです。企業が現に危機的状態に陥っていることまでは要求されません。最近の裁判例では,企業側の経営判断が尊重される傾向にあるといえます。企業が合理化・効率化を促進し,競争力を強化しようというのは当然であり,その判断に裁判所が介入して過度に規制をすることは,かえって企業の弱体化につながり,企業の倒産に追い込むことにもなりかねないという価値判断があるようです。